例年になく今年は早い梅雨入りでした。
今の季節は湿度が高く、「脾」が弱りやすい季節です。ここ最近の治療で感じるのは、東洋医学でいうところの「脾」が弱っている方が多い点です。例えば、腰痛の原因が「脾」の弱りに起因していると思われる方がいらっしゃいます。
ところで「脾」とは何でしょう?
現代医学の「脾臓」ではありません。
脾は、消化器系を統括している臓器で、下記のような働きをします。
・運化:食べたものを水穀の精微に変換し、それを各器官に運ぶ作用。
・統血:血が脈外(血管外)に漏れるのを防ぐこと。
・昇清:運化により生成された生理物質が体全体に巡るようにそれを上昇させる作用、また、体内の各器官が正常な位置に保たれるようにする機能。
・肌肉、四肢をつかさどる:脾は気血生成の源で、肌肉や四肢の状態に反映されます。脾が弱ると四肢に力が入りません。
・意思:脾は思考や記憶にも関係し、思慮しすぎると脾を病み、結果的に思考力や短期記憶の低下等につながります。
「脾」の調子を崩すと、
顔色がすぐれない、食欲不振、倦怠感、息切れ、水様便、むくみ、食後の眠気などが発症します。
湿度の高い今の時期は
水分を取り過ぎない
お腹を冷やさない
お酢やお味噌などの発酵食品を積極的に摂る
以上のことを心がけると体調を維持しやすいです。
写真は、当院入口においてある看板です。
二十四節季にしたがって養生法を書いていますので、是非ご参照ください。